CoRich舞台芸術!プロデュース【名作リメイク】『イノセント・ピープル〜原爆を作った男たちの65年〜』より川島海荷、登場!

ゲスト:川島海荷
MC:鍛治本大樹/永田紗茅

CoRich舞台芸術!がお送りする、舞台芸術 情報番組『オオイリ!』。
毎回、今、話題の公演や是非観てもらいたい公演など、最新の舞台芸術情報をお届けします!

今回のスペシャルゲストは弱冠12歳でデビュー、様々な映像作品に出演する傍ら2013年に『高校中パニック!小激突!!』で初舞台。
その後多くの舞台作品に挑戦し続ける川島海荷さんが『イノセント・ピープル〜原爆を作った男たちの65年〜』のPRで登場!

デビュー秘話から舞台への想い、稽古場での裏エピソードや作品の見どころまでたっぷりお聞きします!

スペシャルゲストは川島海荷さん

デビュー秘話:川島海荷さんの人生に迫る

鍛治本
本日のスペシャルゲストにご登場いただきます。
3月16日から24日、東京芸術劇場シアターウエストで上演される、CoRich舞台芸術!プロデュース【名作リメイク】『イノセント・ピープル〜原爆を作った男たちの65年〜』から川島海荷さんです。
どうぞお入りください。

川島
よろしくお願いします。

永田
いらっしゃいませ!

鍛治本
知らない視聴者はいないとも思うのですが、簡単な自己紹介をお願いしてもいいですか?

川島
川島海荷です。最近、舞台をたくさんやらせていただいて結構頑張っているんですけれども、今回の『イノセント・ピープル〜原爆を作った男たちの65年〜』では、シェリル役をやらせていただきます。
後ほど概要も説明しますのでよろしくお願いします。

鍛治本
作品のこともたくさん聞きたいなと思いながらも、このコーナーのメインは川島海荷さんの人生に迫るっていう、そんなコーナーでもありますから根掘り葉掘りにいろんなことをお聞きしたいと思います!

川島
どうぞよろしくお願いします。

鍛治本
川島さんといえば、幼少期からもうガンガン活躍されて。小学生の頃からですよね。

川島
そうですね。小6ぐらいからこのお仕事をやらせていただいています。なので、芸歴はだいぶ負けないと思います!(笑)

鍛治本
この中でも一番長いのではないでしょうか!最初のきっかけはスカウトなんですよね。
ちなみにスカウトされた場所など差し支えなければ…。

川島
渋谷のスクランブル交差点です。

鍛治本
定番だ!本当にいらっしゃるんですね、あそこでスカウトされる方が!

川島
しかも、人生で初めて渋谷に行った日だったんですよ。
私は埼玉県民なんですけど、それまでは出て来れて池袋止まりだったんですね。親にも「友達と遊びに行くのも池袋まではいいけど、そこから先はまだ早いよ」みたいなことをずっと言われてきて。

永田
なるほど。新宿・渋谷まではちょっとまだダメだよと。

川島
そうそう。
なので、周りの友達が渋谷に行きだした頃に「私も行きたい!」って親にアピールして、そんなこんなで初めて家族で行った日だったんですよ。

鍛治本
家族でいらっしゃったときに声をかけられたんですね。

川島
そうなんです。ただそのシチュエーションが結構問題で…。

永田
問題!なんだろう。

川島
私は夢にまで見た渋谷にやっと来た!みたいな感じで、ニュースの天気予報の後ろに映っているスクランブル交差点が目の前にあるという状況にただただ感動してたんです。今はもう建物名が違うんですけど、当時はTSUTAYAの前に109-2があって、私はもうそこをめがけて歩いていて…。
で、覚悟して「いざ、いくぞ!」ってなったときに話しかけられたんですよ。私は目の前で寸止めされたことにすごくイラっとしちゃって(笑)。

永田
夢にまで見た目的地を遮られた、と!

川島
そう!事務所の方は私じゃなくて母に話しかけたんですけど、「何なんだこの人は!」と思ってました。何かの営業されているのかなとか思いながら、まさか自分の話だと思わず、終始不機嫌で。
よく事務所に入れてくれたなっていうくらい(笑)。今となっては本当に感謝しています。

鍛治本
スカウトされる前っていうのはそういうことには全く興味がない子だった?どんな小学生でしたか?

川島
少年みたいだったと思います。放課後はみんなでサッカーしたりとか、毎日市民プールに行って。なので、日焼けなんて気にしたこともなくて、スカウトされた時も真っ黒でした。もちろんドラマとかを見るのは大好きだったんですよ。
ただ、その中にまさか自分が入れるとは思っていないし、クラスの中では目立たない方で、自分よりキラキラしてるクラスメイトもいたんですよね。

鍛治本
スカウトされる方は原石を見つける見る目がやっぱりしっかりあるんだなと思いますね。
ちなみに芸能活動をされる前の将来の夢とかって覚えていますか?

川島
特に深くは考えてなかったですけど、ピアノの先生とかかな。音楽が好きでピアノをやっていたので。
あとは、美容室が大好きだったので美容師さんも興味があったかな。

永田
小学生で美容室大好きってなかなか珍しい!

川島
美容室のお兄さんってすごい優しいじゃないですか。

鍛治本
モテるんですよね!

川島
そうそう。子供からもモテる感じがあって、私も通っていた美容室のお兄さんが好きでしたね。
お話が楽しくて、「私もこういう楽しい人になりたい!」みたいに思っていました。まさか、こんなお仕事をすることになるとは!

鍛治本
芸能活動が始まってからは生活もガラッと変わったんじゃないですか?

川島
オーディションも沢山受けましたし、実家から通いながら東京で撮影とかもしていたのですが、自分の中では大きく変わった、っていう感じはしなかったんですよね。とにかく楽しかったですね。
オーディションとか行っても「わあ、この人あのドラマに出ていた人だ!」みたいな(笑)。ちょっとミーハー心もあったのかもしれません。

鍛治本
それがよかったのかもしれないですね。オーディションで出会う小さなお子さんたちって、「頑張らなきゃ」ってものすごく緊張している印象を受けるんですけど、そこでフラットな感じでいられるのは強みなのかも。

川島
周りの方からしたら、「もっとしっかりせえ!」って思ったかもしれないんですけど、本当に自由にやらせてもらっていたなって思います。

鍛治本
一番初めにやったお仕事、覚えていますか?

川島
オーディションに初めて受かったんですよ。
何個か受けてみたけどダメっていう中で初めての良い知らせだったので、聞いた瞬間に飛び上がりましたね。うわああ〜い!って。撮影もすごく楽しかったです。
広告のお仕事だったんですけど、その後ドラマのオーディションに受かったときは「テレビで見ていた世界に私も行くんだ」と思いました。ドラマで見ていた家が思ったよりも小さいセットだったのにも驚きました。「テレビで見るより小さく感じる!」とか目に入る全てに結構新鮮に感動していました。

鍛治本
それが中学生ぐらいのときですかね。お芝居するにあたって緊張とかしなかったですか?

川島
いや、緊張しすぎていましたし、瞬きめちゃくちゃしていました!緊張した分だけパチパチパチパチって。
だから、最初のお芝居は今見るのは恥ずかしいです、絶対(笑)。

鍛治本
そこからドラマの撮影の仕事とかも増えていくわけじゃないですか。その都度「お芝居楽しいな」って思いながらやってた感じですか?

川島
お芝居っていうのを意識していたっていうよりは、ドラマの中とか演劇の世界に自分が入り込めていることが嬉しい、みたいな気持ちでした。視聴者だった自分がその中にいる。そういう喜びや達成感で最初の頃は楽しくやっていた感じ。
でも、やっぱり年齢や芸歴を重ねてくると壁にもぶち当たったりもするので、その時は結構しんどかったりもしましたね。

鍛治本
ちょっとお休みしようかなとか、もうお芝居やるのは嫌だな、って思った時期も?

川島
休もうとまでは思わなかったですけど、「今日、撮影行くの嫌だな」みたいなことはありましたね。乗り換えとかいっぱいしながら、なかなか目的地に着かないようにしたりしていました。
遅刻しないように早めには出るんだけど、急行で行けば現場の駅まで一発で着けるのに、わざと遠回りしてジャストに着くようにするとか…(笑)。

鍛治本
そんなことがあったんですね。勉強もやりながら、お仕事もやりながら、本当にすごいことですよね。その両立も大変ですし。

川島
若かったので、体力もパワーもありましたね。今、同じ生活ができるかっていうと難しいかも。みんなが部活をしたり、遊んでいる時間に私は仕事をするっていう感じでした。学校も行っていたし、テストとかも出ていたのですが、「ザ・青春」みたいな時間はなかったかもしれないですね。現場との往復という感じ。
ただ、やりがいも感じていたし、ずっとその生活だけっていうわけではなかったので、休みの日に友達と遊んだりする時間がより幸せに感じるという風には思っていましたね。今思うと、結構メリハリがあったのかなって。

鍛治本
大学にも進学されていますけど、それはもうご自身の意思として進学を決められたのでしょうか?

川島
友達が少なかったんですよ。

鍛治本
じゃあ大学には友達を作りに行ったと。

川島
そうです。そして、ちゃんとできました!目的がそれだったので。

鍛治本
それはよかった! 同級生に川島海荷さんがいたらどうなんだろう。びっくりするのかな、やっぱり。

永田
近づいていいのか、距離取った方がいいのか迷っちゃうかもしれないですね。

川島
最初はやっぱり周りの子たちが気遣ってくれて、申し訳ないなって思っていたんですけど、結局時間が解決していった感じはありましたね。大学生ってわちゃわちゃとみんなで集まったりするじゃないですか。
だから、サークルには入ってなかったけど、同じクラスの子たちでパンケーキ部とか作ったり…。

鍛治本
パンケーキ部?!

川島
朝イチでパンケーキを食べてから授業に行くっていう(笑)。大学生活ではそういう青春を取り戻すかのように謳歌していました。

鍛治本・永田
よかった〜!

川島
安易で申し訳ないです。本当はもっと「大学ではこういう勉強がしたくて」とか言うべきなんでしょうけど…。

鍛治本
そんなことないですよ。大学に行ったはいいけど、友達もできず勉強もしなかったっていう人もいますから。まあ僕なんですけど!

永田
私は大学すら行ってないですから!

鍛治本
なんの自慢をし合っているんだろう(笑)。今までいろんなお仕事をやられてきたと思うのですが、初舞台はどうでしたか?舞台やるって決まったときの心境は?

川島
10代の頃は舞台を観ることも少なかったので、未知の世界でしたね。結構パンチあるキャストの中に放り込まれてびっくりしました。なんだろう、概念が覆るというか。

鍛治本
これ(大パルコ人『高校中パニック!小激突!!』(作・演出:宮藤官九郎))が初舞台ってなかなかですよね。いわゆる舞台の概念ともちょっと違いそうですよ。

川島
そうですね、本当に何でもありな感じで(笑)。でも、それがすごい楽しくて刺激的でした。まだ10代だったので、皆さんを見て何かを吸収するっていうよりは「こういう世界もあるんだ!」ってすごく勉強になりましたね。

鍛治本
演劇界の中でもとびきりパンチのある人たちですからね。

川島
「これはすごい舞台になるんじゃないか」って思いながら参加をさせてもらっていました。ピアノを担がされたりもしたし、アイドルの衣装を着てめっちゃ踊って、その後ろでみなさんがバックダンサーでいらっしゃるとか…。技の掛け合いみたいな感じ。
初舞台としては割と異色な作品の気もしますが、すごく楽しかったですね。

鍛治本
映像作品だとカメラの前だったりしますけど、舞台はお客さんが目の前にいるっていう状態じゃないですか。それってどうでしたか?舞台初日とか…。

川島
もう、なんだろう。本当に緊張で声が出なかったです。そもそもあんまり声が大きい方じゃなかったんですよ。

鍛治本
映像作品だと、いつも喋っている大きさでやりますからね。

川島
最初に稽古場行った時は「みんな、なんでこんな大きな声出しているんだろう?」って思ったくらい。

鍛治本
文化が違う、みたいな感覚ですよね。

川島
そうです。それがお客さんに伝えるためということが今の私にはすごくわかるんですけど、当時は大きい声を出すこと自体に慣れていなくて、初歩的な駄目出しをいっぱいされていたと思います。

鍛治本
そりゃそうですよ。最初はわかんないですよね。

川島
でも、公演数もたくさんあったので、回を重ねる毎にどんどん楽しくなってきました。かつ芸達者な方ばっかりだったので、毎回違う感じの反応がくるんですよね。常にお芝居で戦っている感じというか、「なんだこれは!」、「これがアドリブってやつか!」と(笑)。

鍛治本
映像と舞台、お芝居するときの違いは?

川島
今は何かを特別変えようとかは思っていないですけど、目の前にお客様がいて反応が返ってくるということは自分のモチベーションにもすごく繋がりますね。もっとこうしたいな、もっとこう見て欲しいなとも思うので、やりがいもあるし、楽しいし、日々成長しているなと思います。

CoRich舞台芸術!プロデュース【名作リメイク】『イノセント・ピープル〜原爆を作った男たちの65年〜』について

鍛治本
今まさに稽古中の『イノセント・ピープル〜原爆を作った男たちの65年〜』についてもぼちぼち聞かせてもらえたらなと思うのですが、稽古始まって今どのくらいですか?

川島
2週間ちょっとくらいかな。今回稽古期間が長く、本読みも3、4日ほどあったのでじっくり詰めていくことができました。しっかりディスカッションしながら役作りも含めて進めているっていう感じです。

鍛治本
稽古場の雰囲気はどんな感じですか?

川島
楽しいです!いい方ばかりで、わいわいしながらやっていますね。

鍛治本
みんなで読み合わせをしながら解釈や世界観をすり合わせしつつ、立ち稽古をやっている段階といったところですかね。
演出は劇団チョコレートケーキの日澤雄介さんですけれども、ご一緒するのは初めてですか?

川島
初めてでした!一人ひとりの表情や動きをすごくよく見てくださっている方だなと思っています。毎回のチェックも本当に的確。
役の中から一緒に組み立てて下さる方なので勉強にもなるし、楽しいです。自分一人で台本を読んでいるだけじゃ、わからない何かを発見をさせてくれます。

鍛治本
最近は演出のお仕事多いですけど、日澤さんご自身も元々は役者さんなので、そういった意味でも役者から出てくるものやその内側を繋げるっていうことを大切にしてくださっているのだと感じますね。

川島
舞台の使い方もすごく斬新です。(ネタバレになっちゃうから)今はまだあんまり言っちゃ駄目ですけど、セットの模型を見た時に「へえ!舞台上でこれやるんだ!」っていう驚きがありました。
なんていうか、台本を読んだイメージと真逆の感じが広がっていて、この中でどうやって私達は動くんだろう、って思わされるようなセットだったんですよね。

永田
へえ〜!なんだろう!

鍛治本
気になりますね!

鍛治本
実際にその舞台セットを想像しながら動いたりしてみてどうですか?しっくりき始めましたか?

川島
私たち役者は台本に沿って、そこから受け取った気持ちのままやってはいるのですが、「観た人はどう解釈するんだろう?」っていうのが気になりますね。セット込みで日澤さんがこの作品で伝えたいメッセージなのかな、と私は思っているので…。

永田
気になるトークですね!

川島
気になってください!(笑)

鍛治本
今の段階で出演者の方で気になっている方はいますか?

川島
三原一太さんかな。すごく歴史にお詳しいんですよ。しかも、ご自身の名前の読み方を「“いちた”でも“いった”でもどっちでもいいよ」と仰っていて…。自分の名前をどっちでもいいっていう人に初めて会いました(笑)。

永田
たしかに!正しい方はきっとあるはずなのに!(笑)

川島
そうですよね。なのに、「決まってないから〜」って言われて。

鍛治本
決まってない、ってことはないはずなんだけどなあ(笑)

川島
そんな一太さんが歴史にすごく詳しくて、YouTubeもやられているんですよ。歴史監修としてお名前入れた方がいいんじゃないかってくらい、現場で「この時代はこういうのが普及していて、どういう感覚で…」っていうことを助言して下さっているんです。

鍛治本
一太さんは僕もご一緒したことがありますけど、戦国時代の武将に詳しいっていうイメージがあったんですよ。でも、原爆を作るという本作の時代のことにもやっぱり詳しくいらっしゃるんですね。

川島
本作を機にアメリカのことも勉強をされたのかもしれないのですが、年表まで作ってくださったんですよ。もしかしたら、劇場にも貼られるかも。

永田
へえ〜すごい!そんなクオリティの高い年表なんですね!

川島
戦後のアメリカの話なので日本ともまた違うし、私も歴史が得意じゃなくて当時のアメリカで起こっていることの時系列がこんがらがったりするので、すごく助けられています。
日澤さんも「一太さんが来るまで待とう」とか言って、毎回頼っています(笑)。現場のヒーローですね。

鍛治本
歴史的な事実が立場や視点によってどう見えるのか、っていうことがこの作品の重要な主題にもなるんじゃないですかね。
そういった意味でも、アメリカ側からの時系列とか、日本との関係性で解説してくれる人がキャストの中にいるっていうことは非常に心強いですよね。

川島
そうですね。例えば、私達は普通にお辞儀とかしちゃうけど、アメリカにはその文化がなくて、逆にハグがあったりするとか…。なんだろうな、体の在り方が違うというか。そういうことは感じますね。
歴史はもちろん、アメリカと日本の違いを演じる私たちが理解していないと説得力もなくなっちゃうと思うので。

鍛治本
なるほど。確かに体の使い方ってやっぱり違いますよね。それは、我々日本人がアメリカ人を演じるっていうときにすごく課題になってくることだし、それによって見え方も大きく違ってきますよね。

川島
演じているのは日本人だし、その見た目を無理矢理アメリカに寄せるのではなく、人間の佇まいから自然にそう見えてきたらいいな、とは思っているんですけど、癖みたいなものが体に染み付いている部分もあるので、気をつけつつ…っていう感じですね。

鍛治本
今の段階で川島さんが課題にしていることとかありますか?

川島
戦後のアメリカの60年間を描いた作品なのですが、役者は変わらずに、時代の変化とともに登場人物を演じ分けながら物語が進んでいくんです。私も自分よりもだいぶ上の50代の女性役をやらせてもらったりもするので、その演じ分けを今回はしっかり頑張りたいと思っています。

鍛治本
映像では登場人物の年齢に即した方をキャスティングして同一人物として描く形になりますが、舞台では地続きの時代の中で同じ人が演じ分けていく、っていうことができる。それも舞台ならではの面白さだったりもしますよね。

川島
そのことが一番緊張しますね。10代から50代までのこんなに幅広い年齢を演じるのは初めてなので。観ている人に対して説得力を持たせたい。そう思うがゆえの緊張や葛藤…そこは課題かなと思います。

鍛治本
「日本人だけどアメリカ人の体になったつもりで演じる」ということも、「実年齢とは違うけどその年齢になったつもりで演じる」ということも、同じ人が目の前で演じるがゆえの見どころでもありますね。
これは本作の大きな魅力でもあると思いました。他に川島さんが思う、この作品の見どころポイントはありますか?

『イノセント・ピープル〜原爆を作った男たちの65年〜』の見どころ

川島
やっぱり「当時のアメリカから見た日本」という視点かなと思いますね。私達は日本の感覚で原爆っていうものを捉えていると思うのですが、アメリカの人たちの原爆の捉え方はまた違ったりして、それがリアルでもあって…。今という時代に上演する意味がある。そういう想いでCoRichさんが本作を「名作リメイク」として選んだのかなと思いますし、今を生きる人がどう感じるのかなっていうところが私もすごく気になります。

鍛治本
ありがとうございます。では最後に川島さん自身の今後の予定、または野望でも。ちょっと教えていただけますか?

川島
野望は「元気でずっと演劇を続けたい」です。

永田
演劇って言葉が出てきたのがなんだか嬉しいですね!

川島
近々の予定で言いますと、この舞台が終わった次の週3月29日から4月1日まで写真展をやるんです。私が被写体で、カメラマンの方と2年間撮りためた写真を自分たちで考えてセレクトした自主企画みたいな感じの展示です。私事なのですが、3月が誕生日で30歳になるんですよ。そんな節目の月ということもあり、立て続けにイベントがありますが、よかったら来ていただけたら嬉しいです!

鍛治本
記念すべき30歳、楽しみですね。ではさっちゃん、公演情報を改めて伝えて下さい!

永田
CoRich舞台芸術!プロデュース【名作リメイク】『イノセント・ピープル〜原爆を作った男たちの65年〜』は3月16日から3月24日まで東京芸術劇場シアターウエストにて上演されます。詳しくは動画説明欄にリンクがございますので、オフィシャルサイトをご確認下さい。

鍛治本
最後にもう一つだけ!今回、「名作リメイク」ということで上演されますが、それにちなんでにゲストのみなさんにお伺いしている質問があるんですけども、ズバリ、川島さんがもう一度見たい、リメイクしてほしい名作は?

川島
考えてきましたよ!『笑の大学』(作:三谷幸喜)です!

鍛治本
お〜!名作中の名作きましたね!

川島
私は初演のこととかは全く知らず、最近上演された再演を観たのですが、「会話劇でこんなに巧妙な脚本はあるのだろうか!」と引き込まれて…。2人芝居の緊張感もわかりますし、やる方も大変だとは思うのですが、すごく見応えがありましたね。

鍛治本
一対一の攻防がずっと続きますからね。

川島
すごいですよね。役者の方もセリフを立てて、すごくわかりやすく話すのが大事になってくると思うのですが、もう、一秒一秒聞き流せないっていう感じで瞬きすら忘れて観ていましたね。この流れで言うと、なんだかちょっとあれなんですけど…うーん、どうしようかな…。

鍛治本
言っちゃいましょう!

川島
(ここが)家だと思って言うと…

永田
家だと思って聞きます!

川島
女版とかどうだろう?面白いんじゃないかな、と思ったり。

鍛治本
いや、ありだと思いますよ!その折にはぜひやってみたい!っていう思いでいらっしゃると。

川島
セリフ量がすごいので、大きな声では言えないのですが…(笑)。

鍛治本
そこは頑張ってもらって! 今まで海外版とかも上演されていますから、女性版男性版っていうのもあり得そうですよね。もうその時のキャスティング間違いなく…。

川島
そうです!言うのはただですからね!よろしくお願いします(笑)

鍛治本
誰が聞いているかわかりませんからね!本日はたくさんお話聞かせていただき、とても楽しかったです。ありがとうございます。というわけで、本日のゲストは川島海荷さんでした。ありがとうございました。

永田
ありがとうございました〜!

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